退職時の SaaS 棚卸しチェックリスト 2026 年版
退職者の SaaS アカウント削除漏れは、情シスだけでなく人事・採用・法務まで巻き込む典型的なバックオフィス事故です。本チェックリストは「誰が、いつまでに、何を確認するか」を 1 枚で決められるよう、項目を実務単位で並べました。印刷してメンバーで分担表にしてください。
1. 退職決定から退職日までの SLA
| タイミング | 担当 | 主なアクション |
|---|---|---|
| 退職確定時 | 人事 | 従業員台帳に退職予定日を入力 / 情シス・経営に通知 |
| 退職日 - 7 日 | マネージャー | 引き継ぎリスト確定 / 共有ドキュメント・チャンネルの権限見直し |
| 退職日 | 情シス | 主要 SaaS(Slack / Google Workspace / SSO)を即時無効化 |
| 退職日 + 1 日 | 情シス | 個別契約 SaaS の削除、端末ワイプ |
| 退職日 + 7 日 | 情シス / 人事 | 削除漏れの再点検、棚卸し記録のアーカイブ |
2. 優先的に無効化するべき SaaS / アクセス
- SSO(Okta / Microsoft Entra / Google Workspace)— ここを切れば連動 SaaS の大半が止まる
- コラボレーション(Slack / Microsoft Teams)— 退職後も入れたままだと社内情報が外に出る
- ファイル(Google Drive / Notion / Dropbox / SharePoint)— 個人領域に社外秘が残りやすい
- コード / 設計(GitHub / GitLab / Figma)— 知的財産流出リスクの中心
- 顧客・候補者 DB(CRM / ATS / カスタマーサポート)— 個人情報保護法上、特に注意
- 会計・人事(freee / マネーフォワード / SmartHR / ChordOne)— 経営データ・給与情報
- 外部公開アカウント(X / LinkedIn / SNS 管理ツール)— 退職者が広報名義で投稿できる状態を残さない
3. 物理資産
- 貸与端末(Mac / Windows / iPhone / iPad)の返却日と回収方法を確定した
- 遠隔ワイプの実施タイミングを情シスとマネージャーで合意した
- オフィス入館証 / カードキーの返却を済ませた
- 名刺ストック / 社員証 / ノベルティの取り扱いを決めた
4. 契約・支払い
- 退職者が個人名で契約していた SaaS / クラウドサービスの引き継ぎ先を決めた
- クレジットカード(コーポレートカード)の権限・通知先を切り替えた
- 外部ベンダーの担当者変更通知を送った
5. 監査・記録
- 退職者アカウントの最終ログイン日時を記録した
- 削除実行ログを情シス側で 1 年以上保管できる場所に格納した
- 個人情報のダウンロード履歴を確認した(在職中に大量 DL があれば法務に共有)
- 退職後の問い合わせ転送(メール転送・退職通知)を設定した
6. 仕組み化チェック(次回からの改善)
- 従業員台帳と SaaS 管理ツールが同じデータでつながっているか
- 退職処理の SLA を全社員に共有しているか
- SaaS の棚卸しを四半期に 1 回実施しているか
- シャドー IT を発見するルート(経費精算 / SSO ログ / 請求書)を 1 つ以上持っているか
※ このページはブラウザの印刷機能(⌘ P / Ctrl P)で社内分担表として配布できる構成です。