人材紹介の売上予測のやり方|パイプライン管理とKPI
人材紹介の売上は、決まってから数えるものではなく、進行中の案件から見込むものです。「想定フィー×フェーズ別の確度」を入社見込み月で積み上げるパイプライン管理を土台に、決定数から逆算するKPI設計と、予測精度を上げる運用を実務目線で整理しました。
この記事の要点
- 売上予測の基本は「想定フィー×フェーズ別の確度」を案件ごとに計算し、入社見込み月で合計するパイプライン管理です。
- フェーズと確度は自社の実績から定義します。書類・一次・最終・内定・入社で確度を段階的に上げるのが一般的です。
- KPIは決定数を起点に、推薦数・面談数・通過率を逆算で管理。どのフェーズで歩留まりが落ちるかを見ると打ち手につながります。
- Excel集計は更新漏れで予測がぶれます。フェーズ移行と確度が自動集計されるCRM/ATSにすると、予測の鮮度が保てます。
売上予測の基本式
人材紹介の売上予測は、進行中の各案件について期待値を出し、入社(決定)見込み月で合計するのが基本です。式にすると次のとおりです。
案件の期待値 = 想定フィー × フェーズ別の確度
(想定フィー = 想定年収 × フィー率)
たとえば想定年収800万円・フィー率35%なら想定フィーは280万円。その案件が最終面接フェーズ(確度50%)にあれば、期待値は140万円です。これを全案件で計算し、決定予定月ごとに合計すると、月次・四半期の売上見込みになります。確度を掛けて積み上げることで、楽観・悲観のどちらにも偏りにくい予測になります。
フェーズと確度の決め方
確度は「なんとなく」で置かず、自社の過去実績(各フェーズから決定に至った割合)をもとに決めます。実績が少ない立ち上げ期は、まず一般的な目安から始め、四半期ごとに実績で補正していくとよいでしょう。
| フェーズ | 状態 | 確度の目安 |
|---|---|---|
| 推薦・書類選考 | クライアントへ推薦、書類選考中 | 10〜20% |
| 一次面接 | 一次面接の設定・実施 | 20〜30% |
| 最終面接 | 最終面接の設定・実施 | 40〜60% |
| 内定・オファー | 内定提示・条件交渉中 | 70〜85% |
| 内定承諾 | 承諾済み・入社待ち | 90〜95% |
確度の数値はあくまで出発点です。職種・クライアント・チャネルによって歩留まりは変わるため、セグメント別に確度を分けると精度が上がります。
計算例:月次の売上見込み
3件の進行中案件があるとします。期待値を合計し、決定予定月で集計します。
| 案件 | 想定フィー | フェーズ(確度) | 期待値 | 決定予定月 |
|---|---|---|---|---|
| A社・エンジニア | 280万円 | 最終面接(50%) | 140万円 | 今月 |
| B社・営業 | 150万円 | 内定承諾(90%) | 135万円 | 今月 |
| C社・PM | 320万円 | 一次面接(25%) | 80万円 | 翌月 |
この場合、今月の売上見込みは 140+135=275万円、翌月見込みは80万円です。確定(内定承諾)の135万円と、不確実性を含む期待値を分けて見ると、最低ラインと上振れ余地の両方が把握できます。
決定数から逆算するKPI設計
予測を「見込む」だけでなく「達成する」には、決定数を起点に必要な活動量を逆算します。各フェーズの通過率が分かれば、目標決定数から必要な推薦数・面談数が割り出せます。
- 決定数(ゴール):月の目標決定件数と売上目標
- 内定数 ← 決定数 ÷ 承諾率
- 面談(一次〜最終)数 ← 内定数 ÷ 選考通過率
- 推薦数 ← 面談数 ÷ 書類通過率
逆算すると、「今月の目標決定3件には推薦が30件必要」のように必要活動量が具体化します。実績がこの逆算を下回っていれば、どのフェーズの歩留まりが原因かを見て手を打てます。予測(期待値)と活動KPI(量と歩留まり)はセットで管理すると、予測のズレを早期に検知できます。
予測精度を上げる運用
予測がぶれる最大の原因は、案件情報の鮮度です。フェーズが古いまま、停滞案件が放置されたままだと、期待値の合計は実態と乖離します。次の運用を習慣にすると精度が安定します。
- フェーズの即時更新:面接実施・内定提示のたびにフェーズを動かす。週次でまとめて更新しない。
- 停滞案件の棚卸し:一定期間動いていない案件は確度を下げる、またはクローズする。
- 確度の実績補正:四半期ごとに、各フェーズの実際の決定率で確度を見直す。
- 決定予定月の管理:入社見込み月を案件ごとに持ち、月をまたぐ案件のズレを可視化する。
Excel集計の限界と自動化
売上予測をExcelで運用しているエージェントは多いですが、案件数と担当者が増えると、フェーズ更新と期待値の再計算が追いつかなくなります。誰かが更新を忘れると合計がずれ、予測が信用されなくなる—これが現場でよく起きる失敗です。
候補者・案件・フェーズが同じデータベース上にあり、フェーズを動かすと期待値と月次見込みが自動で再集計される状態にすると、予測の鮮度を保てます。ChordOneの人材紹介向けATS/候補者CRMは、候補者の掘り起こし・定期フォローと同じワークスペースで、進行中案件から売上を見込めるように設計しています。従業員20名まで無料で始められます。
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編集部メモ
本記事の確度・フィー率の数値は、人材紹介の一般的な運用を前提とした目安であり、職種・クライアント・チャネルにより実績は異なります。自社のフェーズ別決定率で補正してご活用ください。計算例は理解を助けるための仮の数値です。
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