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オンライン面接の録音・録画に同意は必要?法律・案内文例・保存ルール

検索すると「面接録音は違法ではない」「必ず同意が必要」という説明が並びます。しかし、この二つだけでは実務を決められません。法律上の義務と、候補者へ説明して信頼を守る運用は分けて考える必要があります。利用目的・録音の説明・AI処理・閲覧者・保存期限の5点に分け、公的資料と案内文例で整理します。

  • オンライン面接
  • 録音・録画
  • 個人情報
  • AI文字起こし
  • 採用実務

結論

  • 個人を識別できる音声・映像は個人情報に該当し、利用目的の通知または公表、適切な管理が必要です。
  • 法律がすべての録音について一律に「事前同意」を求めているわけではありません。ただし、採用では目的を明らかにして必要な範囲で扱う必要があります。
  • 候補者体験と説明可能性を守るため、実務では録音前に目的・閲覧者・保存期間を伝え、明確な同意を得る運用を推奨します。
  • AIを使う場合は「録音します」だけでなく、文字起こし・要約、外部委託の可能性、人が最終確認することまで説明します。

「録音は違法ではない」と「無断でよい」は別

個人情報保護委員会のQ&Aは、通話内容から特定の個人を識別できる場合、その録音は個人情報に該当すると説明しています。一方で、個人情報保護法上、録音している事実を伝える義務までは負わず、利用目的の通知または公表が必要だと整理しています。

ここだけを読んで「無断録音でも問題ない」と結論づけるのは危険です。採用面接には、次の事情があります。

  • 氏名、職歴、志望理由など個人を特定できる内容が多い
  • 候補者は選考への影響を心配し、録音を断りにくい
  • 文字起こしやAI要約で、当初の会話とは別のデータが生成される
  • 面接官以外の採用担当者、責任者、外部サービスが扱う場合がある

したがって、法令上の最低条件だけでなく、候補者が「何に使われ、誰が見て、いつ消えるか」を予測できる説明が必要です。

個人情報保護法と職業安定法を分けて理解する

面接録音に関係する法令上の考え方
観点公的資料の要点採用実務への落とし込み
個人情報への該当特定の個人を識別できる音声録音情報は個人情報録音・録画を候補者情報として管理する
利用目的利用目的をできる限り特定し、通知または公表「採用のため」だけでなく、評価確認・議事録作成など具体化する
採用での必要範囲職業安定法は、求職者情報を業務目的の達成に必要な範囲で収集・保管・使用するよう求める将来使うかもしれないという理由で無期限に残さない
安全管理漏えい防止のため組織的・人的・物理的・技術的な措置が必要閲覧者、保存先、持ち出し、削除、委託先を決める
この記事の立場

法令上「録音への同意」が一律に必要と断定するのではなく、利用目的の明示と適切な管理を最低条件としたうえで、採用実務では明確な同意を得る運用を推奨します。個別案件の適法性は、必要に応じて専門家へ確認してください。

録音前に説明する5つの項目

  1. 目的:面接官間の評価確認、議事録作成、選考品質の改善など。
  2. 処理内容:録音のみか、録画・文字起こし・AI要約まで行うか。
  3. 閲覧者:担当面接官、採用担当者、採用責任者など、役割で示す。
  4. 保存期間:選考終了後何日・何か月で削除するか、または見直すか。
  5. 断る方法:録音を希望しない場合の代替手段と、選考上の扱い。

「品質向上のため録音します」だけでは、文字起こしや外部サービスでの処理、保存期間を候補者が予測できません。実際の処理に合わせて説明します。

Google MeetやZoomなどが表示する録画通知は、録画開始の事実を知らせるものです。選考での利用目的やAI処理、閲覧者、保存期間までは伝わらないため、面接案内や開始時の説明を置き換えるものではありません。

候補者への案内文例

面接案内メールに入れる文例

当日は、面接内容の確認と議事録作成のため、会話を録音し、文字起こし・要約を行う予定です。記録は当社の採用担当者および担当面接官のみが選考目的で確認し、当社が定める保存期間の経過後に削除します。録音を希望されない場合は、事前または面接開始時にお知らせください。録音を行わずに面接を実施します。

面接開始時の確認文例

本日の内容を正確に確認するため、これから録音し、文字起こしと要約を作成してもよろしいでしょうか。記録は採用関係者だけが確認し、選考以外には利用しません。ご希望でなければ録音せずに進めます。

AI処理と外部委託を明示する文例

文字起こし・要約の作成には、当社が契約する外部の処理サービスを利用する場合があります。記録をサービス提供者の一般的なAI学習へ利用させない契約・設定のもとで処理し、生成された要約は採用担当者が確認します。

実際に利用するサービスの契約内容や設定が、この文面と一致していることを確認してください。「学習に使われない」と確認できない場合は記載できません。

AI文字起こしでは「録音」以外の説明が増える

AI議事録では、音声ファイルに加えて全文の文字起こし、要約、決定事項、評価の下書きなど新しい情報が生成されます。元の音声を削除しても、文字起こしが残れば候補者情報は残っています。

導入前に、次のデータの流れを書き出します。

  1. ブラウザまたは会議サービスで音声を取得する
  2. 保存先へ音声を送る
  3. 文字起こし・要約を作成するサービスで処理する
  4. 採用管理システムへ結果を保存する
  5. 採用担当者が確認・修正する
  6. 期限到来後に音声と生成物を削除する

「録音データ」と「文字起こし・要約」を別々に管理すると、音声だけ消して文章が残る事故を防ぎやすくなります。

保存期間は「全候補者一律」より目的から逆算する

採用面接の録音について、全国一律の具体的な保存日数が決められているわけではありません。だからこそ「無期限」ではなく、利用目的が続く期間を社内で決めます。

面接記録の保存ルール設計例
記録残す目的期限を決める起点
録音・録画発言の確認、議事録作成文字起こし確認の完了日
全文の文字起こし評価の根拠確認、引き継ぎ選考終了日または入社日
面接評価選考判断、採用基準の改善採用終了日と社内規程
集計データ選考プロセスの改善個人を識別できない形にした日

採用・不採用・辞退で別々に保存期間を決める場合も、理由を文書化します。削除時は、音声、文字起こし、要約、スクリーンショット、書き出しファイル、バックアップの扱いを確認します。

閲覧権限は「採用チーム全員」で終わらせない

録音には、評価に不要な雑談や個人的な事情が含まれることがあります。候補者一覧を見られる人が、すべての録音まで見られる設計にする必要はありません。

  • 録音・全文:担当面接官、採用担当者など確認が必要な人に限定
  • 面接要約:選考会議に参加する採用責任者へ共有
  • 限定情報:給与、健康、家庭事情などは通常の要約から分離
  • 集計:個人を識別しない状態で採用改善に利用
  • 書き出し:端末への保存可否と持ち出しルールを設定

最小限の閲覧範囲にし、誰がいつ確認したかを追える保存先を選びます。

導入前チェックリスト

  • 録音・録画・文字起こし・AI要約のうち、実際に行う処理を整理した
  • 候補者へ伝える利用目的を具体化した
  • 案内メールと面接冒頭の確認文を用意した
  • いつ、どの文面で同意を確認したかを選考記録に残せる
  • 録音を断った場合の代替手段を決めた
  • 閲覧できる役割をデータごとに決めた
  • 外部サービスの保存場所、再学習の有無、委託条件を確認した
  • 音声・文字起こし・要約それぞれの保存期間を決めた
  • 期限後に削除できる担当者と手順を決めた
  • AIの要約を人が確認してから評価へ使う
  • プライバシーポリシーと社内規程へ実際の処理を反映した

ChordOneの面接録音・議事録での扱い

ChordOneのChrome拡張機能では、Google Meet・Zoom・Microsoft Teamsのブラウザ版で録音を開始する前に、利用者が同意確認へチェックする必要があります。画面上でも、相手の同意を事前に得るよう案内します。

  • 会議へ専用の参加者を追加せず、利用者が録音を開始
  • 音声から文字起こし・要約を作成
  • 採用面接も社内会議も、既定では議事録ノートへ保存
  • 議事録ノートは既定で作成者だけに公開
  • 必要なときだけ、録音画面から採用候補者の選考履歴にも残せる

ツール上のチェックは、候補者本人の同意を自動で取得するものではありません。面接案内または会議冒頭で、採用担当者が候補者へ説明して確認する必要があります。

よくある質問

Q. 録音していることを伝える法的義務はありますか?

個人情報保護委員会の通話録音に関するQ&Aでは、録音している事実を伝える義務までは負わない一方、個人情報に該当する場合は利用目的の通知または公表が必要とされています。ただし、採用では候補者が利用方法を予測できるよう具体的に目的を明らかにし、実務上は明確な同意を得る運用を推奨します。

Q. 録音を断った候補者を不利に扱えますか?

録音への同意と選考評価を結び付けると、任意の選択とは言いにくくなります。録音なしで面接官がメモを取る代替手段を用意し、断ったこと自体を評価へ使わない運用が望ましいです。

Q. AIの要約だけ残せば個人情報ではなくなりますか?

候補者名がなくても、職歴や発言内容など他の情報と照合して個人を識別できる場合は、個人情報に該当し得ます。題名から氏名を消すだけで匿名化できるとは限りません。

Q. 保存期間は何か月が正解ですか?

一律の正解はありません。記録ごとの利用目的と社内規程から期限を決め、期限後に音声・文字起こし・要約をまとめて削除できる運用にします。

Q. Google MeetやZoomの録画通知だけで十分ですか?

通知だけでは十分とは限りません。録画開始の事実に加えて、採用での利用目的、AI処理、閲覧者、保存期間、録音を希望しない場合の連絡方法を別途説明します。

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編集部メモ

この記事は2026年8月21日時点の個人情報保護委員会・厚生労働省の公開資料をもとに、採用実務の一般的な考え方を整理したものです。法的助言ではありません。個別の運用は自社の規程、利用サービス、委託契約、最新の法令・指針を確認し、必要に応じて専門家へご相談ください。

引用・確認資料

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