SaaS管理ツールの費用はいくら?削減額を上回らないための見積もりの読み方
SaaS管理ツールは「SaaSコストを下げる」ために入れます。だからこそ、ツール自体の費用が削減額を上回っていないかを最初に確かめる必要があります。この記事では、課金軸の違い、費用対効果の計算のしかた、見積もりで確認する点を整理します。
この記事の要点(3 行)
- SaaS管理ツールの課金軸は「従業員数」と「管理対象SaaS数」の2つ。どちらかで総額が大きく変わります。
- 管理対象SaaS数課金は、可視化を進めるほど高くなります。 棚卸しで新しいSaaSが見つかるたびに費用が増える構造です。
- 導入判断は「年間の削減見込み − ツールの年間費用」で。ここがマイナスなら、目的と手段が入れ替わっています。
課金軸は2つ
| 課金軸 | 費用の決まり方 | 効いてくる場面 |
|---|---|---|
| 従業員数 | 在籍人数 × 単価 | SaaSを何本入れても費用は変わらない |
| 管理対象SaaS数 | 連携・管理するSaaSの本数 × 単価 | 棚卸しが進むほど費用が増える |
| 連携(コネクタ)数 | API連携する製品ごとに課金 | 自動棚卸しの対象を増やすと増える |
管理対象SaaS数課金には、目的と料金がぶつかる構造があります。 SaaS管理を始める理由は「把握できていないSaaSを見つけたい」からです。ところが見つけるほど管理対象が増え、費用も増える。「シャドーITを10本見つけたら、来月から10本分の課金が増えた」という展開が起こりえます。
これが悪い設計だとは言い切れません。管理の手間は本数に比例するので、本数課金には理屈があります。ただし、契約前に「見つかった分も課金対象か」を必ず確認してください。
費用対効果の計算
SaaS管理ツールは、他の人事系SaaSと違って効果を金額で書ける数少ないツールです。だから稟議も通しやすい。式はこうなります。
年間の純削減額 = (解約できた分 + 重複契約の統合分 + 退職者アカウントの停止分) − ツールの年間費用
注意点が2つあります。
削減効果は初年度に偏る
使われていないライセンスの整理や重複契約の統合は、1回やれば終わる種類の削減です。初年度に大きく出て、2年目以降は小さくなります。初年度の削減額でツール費用を正当化すると、2年目の更新で説明に困ります。
2年目以降に効くのは、退職者アカウントの停止漏れをなくすことです。これは継続的に発生するので、こちらを軸に見積もるほうが現実に合います。
工数削減は金額に換算しにくい
「棚卸しに月8時間かかっていたのが1時間になった」は実感としては大きいですが、稟議では弱い。金額で言える削減と、工数で言える削減を分けて書くと通りやすくなります。
見積もりで確認する5項目
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 課金軸 | 従業員数か、管理対象SaaS数か。ここが最優先 |
| 対象の増加 | 新たに見つかったSaaSは課金対象になるか |
| 連携できる製品 | 自社が使っているSaaSが対応済みか。未対応なら手動登録になる |
| アカウント停止の自動化 | 検知だけか、停止まで実行できるか。ここが効果を分ける |
| 初期費用・最低契約期間 | 初年度総額と、途中解約の扱い |
4番目が重要です。「使われていないアカウントを見つける」だけのツールだと、止める作業は人手のまま残ります。 検知と実行のどちらまでやるかで、実際の削減額が変わります。
人事データと繋げるという選択肢
ChordOne では、SaaS・IT資産管理は標準モジュールです。月額200円/ユーザー、20人まで無料。課金軸は従業員数なので、管理対象のSaaSが増えても費用は変わりません。
設計上の違いは、入退社の情報と同じ場所にあることです。
- 退職の登録がそのままアカウント棚卸しの起点になります
- 人事側とIT側で従業員マスタを二重に持ちません
- 標準モジュール4つ以上で1人あたり月800円が上限です
ただし専用のSaaS管理ツールに勝る、という話ではありません。 連携できるSaaSの数、支出分析の細かさ、契約更新日のアラートといった領域では、専門製品のほうが機能は厚いです。SaaSを100本以上抱えていて支出の最適化が主目的なら、専用ツールを選ぶべきです。
ChordOne が向いているのは、SaaSは20〜50本程度で、いちばんの困りごとが「退職者のアカウントが消えていない」ことである会社です。
よくある質問(FAQ)
SaaS管理ツールの費用はどう決まりますか?
従業員数課金か、管理対象SaaS数(または連携数)課金のいずれかです。後者は棚卸しが進むほど費用が増えるため、見つかったSaaSが課金対象になるかを契約前に確認してください。
費用対効果はどう計算しますか?
解約できた分+重複契約の統合分+退職者アカウントの停止分から、ツールの年間費用を引きます。削減効果は初年度に偏るため、2年目以降は退職者アカウントの停止漏れ防止を軸に見積もってください。
見積もりで見落としやすい点は何ですか?
アカウント停止まで自動化できるかどうかです。検知だけのツールだと、止める作業が人手のまま残り、想定した削減額に届きません。
ChordOneのSaaS管理はいくらですか?
標準モジュールに含まれ、月額200円/ユーザーです。20人まで無料で、課金軸は従業員数のため管理対象のSaaSが増えても費用は変わりません。
編集部メモ
他社の具体的な金額は記載していません。 SaaS管理ツールの多くは料金を公開しておらず、検索で見つかる数字は各社の公表ではないことが大半です。代わりに、金額より変わりにくい「課金の軸」と「効果が初年度に偏る性質」を整理しました。後者は稟議の2年目でつまずきやすい点です。