36協定の上限規制を運用に落とす|月45時間・複数月平均80時間の正しい数え方
2019年の働き方改革関連法で、36協定の上限は罰則つきの法規制になりました。ところが「どの時間を、どの上限に、どう数えるか」は想像以上に複雑で、Excel管理では月末に数字が確定してから違反に気づくことになりがちです。この記事では上限規制の数え方の要点と、月中に気づける運用への落とし込みを整理します。
この記事の要点(3 行)
- 原則は月45時間・年360時間。特別条項でも年720時間・単月100時間未満・複数月平均80時間・45時間超は年6回まで。
- 数え間違いの典型は法定休日労働の扱いです。月45時間・年360時間には含めず、単月100時間・複数月平均80時間には含めます。
- 複数月平均は年度をまたいで直近2〜6か月すべての平均を見ます。月末確定後では遅いので、月中の予測アラートが実務の要です。
上限の全体像
| 区分 | 上限 | 数える対象 |
|---|---|---|
| 原則(一般条項) | 月45時間・年360時間 | 法定時間外労働のみ(法定休日労働を含まない) |
| 特別条項・年間 | 年720時間 | 法定時間外労働のみ |
| 特別条項・単月 | 100時間未満 | 法定時間外労働+法定休日労働 |
| 特別条項・複数月 | 2〜6か月平均がすべて80時間以内 | 法定時間外労働+法定休日労働 |
| 特別条項・回数 | 月45時間を超えられるのは年6回まで | 法定時間外労働のみ |
ポイントは対象の列です。同じ「残業」でも、上限によって法定休日労働を含めたり含めなかったりします。ここを1本の集計値で管理しようとすると必ず破綻します。
数え間違いやすい 3 つのポイント
所定7時間の会社で8時間働いた場合、7〜8時間の1時間は「法定内残業」で、36協定の時間外にはカウントされません。所定超=時間外と数えると過大計上になり、逆に法定8時間からしか数えないシステム設定だと割増賃金側で過少になる場合があります。
2〜6か月平均80時間は、協定の対象期間に関係なく「直近の連続した月」で判定します。4月起算の会社でも、前年度の2月・3月を含む平均を見る必要があります。年度で集計をリセットするExcelはここで漏れます。
「45時間超は年6回まで」は協定の起算月からの1年間で数えます。複数月平均(年度またぎ)と回数(年度内)で数える枠が違う点が、手作業管理の混乱の元です。
使っているツールを選ぶだけで、重複コストと集約による削減額の目安を3分で診断できます。登録不要です。
月末確定では遅い:予測アラートの運用
上限規制の怖さは、月末に集計して「超えていました」では取り返しがつかないことです。実務では次の2段構えにします。
- 月中の予測:月の進捗に対する現在の時間外ペースから月末着地を予測し、45時間・80時間・100時間の各ラインに対して「このペースだと超える」を月の半ばで知らせる。
- 年間の残枠:年360時間(または720時間)の残り、45時間超の残り回数、直近の複数月平均を常時表示し、月をまたぐ前に業務量を調整する。
ChordOneの勤怠モニターはこの2段構えを標準で持ち、法定内残業と法定休日労働を区別した集計、年度をまたぐ複数月平均、45時間超の回数管理、管理監督者の除外(深夜のみ管理対象)まで自動で行います。
勤怠・労務まわりのツール構成を入れるだけで、重複コストと削減余地を試算できます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 月45時間の上限に休日出勤は含まれますか?
法定休日(週1日の休日)の労働は含まれません。ただし単月100時間未満と複数月平均80時間の判定には法定休日労働を含めます。所定休日(土曜など)の労働は、週40時間を超えた分が通常の時間外としてカウントされます。
Q2. 複数月平均80時間はどう数えますか?
対象月から遡って2か月・3か月・4か月・5か月・6か月の平均をすべて計算し、いずれも80時間以内である必要があります。協定年度をまたいでも連続した月で判定します。
Q3. 管理監督者にも36協定は適用されますか?
労働時間・休憩・休日の規定が適用除外のため、36協定の上限管理の対象外です。ただし深夜労働の割増と、健康確保のための労働時間把握義務(安衛法66条の8の3)は適用されます。
Q4. 特別条項は毎月使えますか?
使えません。月45時間を超えられるのは1年につき6回(6か月)までです。7回目が発生した時点で法違反になります。
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